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恋愛サプリ ブックナンバー

 

  • 第1話 ストーカーになった元彼

 

大学4年の春に、同じサークルの同期に告白されたから、付き合い始めた。 なんとなく、だった。いけないとは分かっていたけれど、前の彼氏と別れてずいぶんと経っていたし、周りを見回すと、就職活動に追われながらも、彼氏と楽しそうにしている友達の姿が目に入ってきてしまって。 ・・・言ってみれば、寂しかったんだと思う。

 

別にカッコよくもなかったし、取りたてていいところがあるわけでもなかった。 下の上ぐらいの人かな、なんて思ってた。 そんなことどうでもよかった。 あたしのことを好きだって言ってくれたから。 前に付き合っていた人は、そっけなくて、好きだって言ってくれたことなんて数えるほどしかなかった。 でも、彼は毎日のように好きだって言ってくれて。 それでちょっと満たされちゃった。

 

でも、そんな関係が長続きするはずもなくて。 大学卒業して、就職して、仕事が始まったら、電話もメールも面倒になった。 会社には素敵な人もいたし。仕事、楽しかったし。 会いたいって言われても忙しいから、って理由で断ってた。

 

本当は、自然消滅を狙ってたんだけど、そんなの許してもらえるはずもなく。 ズルイあたしは、メールで別れを切り出した。 『ごめんね、今は仕事を思いっきりやりたいから』 思いのほか、あっさりと受け入れてくれて、拍子抜け。 そんなもんだよね、って少し寂しく感じたりもしたけれど、すぐに彼のことなんて忘れた。

 

彼のことを忘れてしまったのは、すぐに会社の先輩と付き合い始めたからっていうのもある。 仕事もできて、笑顔が優しくて。理想の人だった。 でも、楽しい生活に水を差すような出来事が、ちらほら、と。

 

 

  • 最初に感じたのは視線だった。

 

帰宅途中の店から。駅のホームで。 次にゴミ。 あたしの出したゴミだけが荒らされて。あとは、郵便物がなくなっていたりとか。 些細なことだけど、気持ち悪くて、先輩に帰りは送ってもらうようになった。 その矢先に、かかってきた、友達からの電話。

 

・・・「ストーカー、されてない?」

 

聞けば、あたしの生活を克明に書いたブログがあるって。 URLを聞いて、見てみたら、本当に、あたしのことが書いてあった。 あたしの1日の生活。あたしへの恨み。あたしへの想い。 酔って、元カレがあたしの友達に言った、ブログの存在。

 

先輩には、この話はまだ言ってない。 あたしがブログを見るのを待っていたかのように、小さな嫌がらせはなくなった。 でも、まとわりつく視線は日に日に強くなっている。 どこへ行っても、姿は見えないのに、視線はついてくる。あたしは、あたしのその日の行動を確認するかのように、毎日ブログをチェックする。 ブログを見つけてから、半年・・・・。

 

今日も、あたしの生活が、更新される。

 

  • Writing
    • 福田了子(フクダ リョウコ) 
    • 東海大学文学部文芸創作学科卒業。
    • 現在、フリーライターとして活動中。


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