「冬が越せない?えーっ春になればどんなものでも花が咲くと思っていたのに・・・」 苗に投資したお金が無駄になってしまった。 でも、こんなことで挫けていたら庭はできない。
春から夏に向かう季節だったらどんな苗でも大丈夫というお店の人の言葉を信じて、ここで大量の花の苗を買い再チャレンジ。
肥料をすきこんでから植えるようにとのアドバイスが効を奏したのか、夏には、庭が色とりどりの花で埋め尽くされた。芝も青々と茂っている。木も葉を茂らせた。木の枝でトレリスもどきのものを作って、植物を這わせた。ここまでくれば、ふふふと笑っていいはずなのに、顔がひきつる。
「写真の庭と、なんか違うー」 もちろん庭を作り始めて一年でイングリッシュガーデンができるとは思っていなかった。 木がもっと大きくなれば、理想の庭に近づくはずだ。その場面を二人でシュミレーション、そのあとイギリスの庭園写真を見比べる。
我が家の庭は、イングリッシュガーデンになりえるのか?
このとき夫が叫んだ。 「わかった。うちの庭には高低差がないし、こうなんていうかのっぺらとして、面白味がないんだよ」 「高低差?面白味?」 「ほら、イギリスの庭って、トレリスや木の垣根で庭を区切ってるだろ?」
たしかに写真集の中の庭は、植栽やトレリスで庭をいくつもの部屋のように仕切ってある。 「うちはさぁ、広さだけはあるんだから、こうやって、仕切りのある庭を作ればいいんだ。 よし秋が終ったら、木だけは残して、あとは全部リセットする」 夫の爆弾宣言。
リセットって、きれいに生え揃った芝生を剥がすの?花も全部?そんなの嫌と抗議したが「イングリシュガーデン作るんだろ?」というセリフには逆らえななかった。そしてこの宣言とおり、秋も終わり近づいた頃、夫はレンタルした小さなパワーシャベルカーで芝生も花壇の花も全部を掘り起こしてしまった。
ここで私たちが一年かけて作った庭は、また振り出しに戻る。リセットした庭が、二年目にしてどこまで変わったかは次回に。 (その三 Vol.5へ続く)
どうにか木は植え、花の苗も植えた。芝生も張り、花壇を歩く小さな道を作ったのは、秋も終わりのこと。これで春になれば、花も咲き夢見たような庭ができているはずだったが・・。
里より一ヶ月遅れて、春がやってきた。 待ちに待った春だ。毎日、朝一番に庭に出てみても苗を植えたはずの花壇には、植物の緑など一本も見当たらず、目の前には、茶色くすすけた土だけが広がっている。